石の種類Kind of Stone
石の種類や特徴をご案内しております。
天山石Tenzan ishi
産地 | 佐賀県(日本) | |
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石材物性 データ |
見掛け比重 | 2.69t/m3 |
吸水率 | 0.09% | |
圧縮強度 | 1.981kg/cm2 | |
岩石分類 | 花崗岩 |
特徴
九州を代表する銘石のひとつで、その魅力は、なんと言っても国産材の中でも最高ランクを誇る硬度と吸水率の低さです。少し紫色がかった濃い青みと艶持ちや角持ち良いのがが特長で、年月を経ても変らない通好みの銘石と言えるでしょう。
同じ天山石の中でも佐賀県唐津市七山地区で採掘される石を「七山みかげ」と呼び、天山石系で深い青みが特徴。また、佐賀市富士町で採掘される石を「富士みかげ」と呼び、天山石系の中でも強度が特に高いのが特徴です。天山石には「特級」「1級」「並」のランクがあります。※写真は特級です。
■天山石の歴史
天山石が採掘される佐賀県松浦郡七山村からほど近い場所にある牛津町は、古くから「砥川石工」と呼ばれる石工の集団が石の加工品の製造販売を行い、その名は広く世に知られていました。
中でも江戸時代初期、石工名人平川与四衛門が現れ、その手による作品は、現在でも佐賀県内を中心に九州全域に残されています。素材の石は七山村で採掘し、牛津川を下り、石工の里・牛津まで運んだものと思われます。
また、1602年(慶長7年)から1608年(慶長13年)にかけて築城され、江戸時代を通じて唐津藩の藩庁となった唐津城の石垣にも、天山石は使われています。
このように古くから地元で使われてきた天山石ですが、本格的に採掘が始まったのは昭和40年代からで、その青深く透明度の高い石目と、極めて硬く経年劣化の少ない石質から、日本屈指の銘石として近年全国で人気が高まっています。